私が「意志を持つこと」にこだわる理由――AtWILL創業の原点
なぜ私は「意志を持つこと」にこだわるのか
前回の記事では、社名「AtWILL」に込めた想いをお話ししました。
その中で、私が「意志を持つ」ということを大切にしているとお伝えしましたが、今回は、その原点やリクルートで15年半のキャリアを築く中で大切にしてきたことをお伝えしたいと思います。
周囲の期待に応える人生を歩んできた自分
私は双子として生まれました。
幼い頃から、常に「比較される存在」が隣にいる環境で育ちました。
小学校も習い事も姉と同じ。高校受験も同じ学校を受験しました。
両親は分け隔てなく愛情も機会も提供してくれましたが、真面目で厳しい両親でもありました。比較対象がいたからかもしれませんが「親の期待に応えること」に一生懸命になっていたように思います。
そんな中、「就職活動」で自分のこれまでを振り返った時に、ある事実に気づいたのです。
私は、人生を自分で切り拓いてこなかったのではないか
順風満帆だと思っていた人生が、実は他人の期待に応えることに費やしてきた人生だった。自分で勝手に制約を作り、その中でしか行動してこなかったから上手くいっていた――そう気づいたとき、大きなショックを受けました。だからこそ、こう決めたのです。
これからの人生は、自分の意志を大切にして生きる
周囲の期待ではなく、自分が納得できる選択をする。自分の人生を、自分でデザインして生きていく。
この決意が、私の原点であり、今後の生き方を支えるものになりました。
リクルートを選んだ理由
「意志を持つ」ことの象徴的な場面として、“選択”が挙げられます。
人生の中でも特に大きな選択の一つが「就職」、つまり「働く」ということです。
人生の大半を費やす「働く」時間を、より納得感あるものにしたい。そんな想いから最終的に「人材業界」を選びました。
その中でも、強く惹かれたのが「リクルートマネジメントソリューションズ(RMS)」です。社風や社員の魅力はもちろんですが、採用だけでなく入社後の人材育成や組織開発など幅広く支援できる点にも魅力を感じました。
両親は「リクルートなんかに就職したら、仕事漬けになる。女の子がバリバリ働くなんて…」と反対していました。
それでもこの会社を選んだのは、自分の意志を大切にできる環境だと感じたからです。
そして入社後、「お前はどうしたい?」と問われ続ける日々が始まりました。
この問いが、自分の意志を育てる後押しになったと思います。

提供価値を広げることを求めたキャリア
営業からキャリアをスタートし、その後、採用・開発・コンサル・人事とさまざまな職種を経験してきました。
その背景にある私のキャリアの軸は「価値提供を深める/広げる」ことです。
入社直後は営業として最前線でお客様に向き合ってきました。その中で次第に
第三者として支援するのではなく、当事者として人事の悩みや葛藤に向き合いたい
という想いが強くなり、リクルートの採用部署へ異動を希望しました。
営業部長に「2年間だけ採用に異動させてほしい」と打診し、採用部長の面接を経て異動が実現しました。
当時は人事領域の3社が統合し「リクルートキャリア」という新しい会社が誕生したタイミング。熱量の高い仲間とともに採用にコミットする経験ができ、「採用を当事者として経験する」以上の価値を得ることができました。
約束の2年が経過するタイミングで営業に戻ることを考えていましたが、結果としてサービス開発へ異動することになりました。
営業として担当顧客に価値提供するだけでなく、良いサービスを作ることで、営業やその先のお客様にもっと広く価値を届けることができるのではないか
と考えたからです。
実際に経験すると、これまでの属人的で直接的な価値提供とは異なり、汎用的で間接的な価値提供の難しさを経験する機会になりました。また、多くの人と1つのサービスを創り上げる面白さや、事業としてスケールさせることの責任も実感することができました。
その後、コンサル組織のマネジャーに着任。営業組織全体のコンサル売上・納品に責任を持つ立場となりました。
営業のように直接顧客に価値を届けることができ、開発のようにサービスを磨いたり納品品質を高めることができ、両方の良さを持つ仕事だ
と感じました。
何よりも、初めてのマネジメント経験はこれまでの個人として直接的な価値を出すことから、「チームで価値を最大化する」ことについて深く考え、体現する貴重な機会となりました。

ここまでのキャリアは、自ら働きかけながら築いてきました。
それぞれのキャリアの中で意志を形にし、多くの学び・経験を得ることができました。
そして、さらに3年経った頃、次の挑戦を考えるようになります。
次の目標が見えなくなった
「いろいろやり切った感じがします」
キャリア面談のタイミングで、社長との面談を希望し、率直な気持ちを伝えました。
これまでは明確な目標がありました。
当事者として経験を積みたい、良いサービスを作って価値提供したい、事業や組織に貢献したい――でも、その先の目標が見えなくなってしまったのです。
そんな迷いを伝えたところ、今度はRMSの人事に異動になりました。
この異動は想定外でした。
採用領域を中心に歩んできたキャリアの中で、採用・育成・制度・労務と人事領域全体を管轄することが本当にできるのか。戸惑いだけでなく、大きなプレッシャーを感じました。とにかく人事について勉強すると同時に、会社・事業・人への理解を深め、経営会議にも立ち続けました。待ったなしの状況の中で、これまでのキャリアの中で最も難しく、最も葛藤した経験だったと思います。(500円玉サイズのハゲができました…)
ただ、振り返ってみると、この経験がなければ今の自分はなかったと思います。
人事責任者の経験を経て、私は何を経験し、学んだのか。
なぜ「独立」という道を選んだのか。
次回は、そんな話について触れられればと思います。
